会長挨拶
第59回日本白内障学会総会(2020)
このたび、伝統ある第59回日本白内障学会総会を主催させていただくこととなりました。はじめに、この機会をお与えいただきました本学会の会員の皆様方に心より感謝申し上げます。また、本学会の開催にあたり、会員、関連企業はじめ、多くの皆様から多大なご支援とご協力を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。
全世界における新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の情勢を鑑み、第59回日本白内障学会総会はWeb開催となりました。皆様と直接お会いできる機会がないことは大変残念ですが、現況における最善の方法を模索した結果としてご理解をいただきたくお願い申し上げます。
今回の総会のテーマは「老視の科学」です。超高齢社会を迎え、加齢疾患の克服は最重要課題の一つです。2030年には世界の老視人口は21億人なってピークに達すると推定されており(Fricke TR, et. al. Ophthalmology. 2018)、老視研究は社会的にもますます重要性を増しています。このような背景の下、老視について基礎および臨床の両面から、研究の現状と展望を皆様とともに学び、討論したいと考え、本総会のテーマとさせていただきました。
プログラムは、特別講演は本学会の理事長である岩手医科大学の黒坂大次郎教授にお願いしました。長年の研究成果についてご発表いただけるものと期待しております。他にも、学術奨励賞記念講演や老視研究の最新の話題をテーマとしたシンポジウムも企画しました。一般講演ではWeb上での発表という制約はありますが、チャット機能を利用して開催期間中は質疑応答も行う予定です。なお、生理光学がご専門で臨床分野にも精通し、水晶体・老視矯正眼内レンズ研究の第一人者でもいらっしゃるProf. Susana Marcos(スペイン)の招待講演は、残念ながら中止となりましたことをご報告いたします。
こういった形態での日本白内障学会総会の開催は今回が初めてで準備期間も十分ではありませんでしたが、皆さまが少しでも快適にご参加いただけるように精一杯努力いたしました。私見では、リモート・アクセスによる開催は今後も発展させていくべき方法の一つではないかと考えています。本総会がその一つのきっかけとなることを祈念するとともに、今回の経験が本学会の未来への財産となれば幸甚です。
皆様と共に、わが国の白内障研究分野における最高レベルの学会を実現したく、ご参加のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
会長:根岸 一乃
(慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授)
第46回水晶体研究会
第46回水晶体研究会を第59回日本白内障学会総会と合同開催させて頂くことになりました。歴史ある本研究会の会長を担当させて頂きますこと、誠に光栄に存じます。
今般の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の拡大に伴い、我が国においても東京オリンピックの開催が延期されるなどその影響は大きなものとなりました。このような状況から本学会は一橋大学一橋講堂での現地開催を中止し、WED開催とさせていただく事となりました。ご登壇、ご参加をご予定の皆様、関係者の皆様におかれましては、多大なるご迷惑をおかけすることとなりましたこと深くお詫び申し上げます。この度は参加者の皆様の安全と感染拡大の防止を考慮しての判断となりましたこと、何卒ご理解いただけますと幸いでございます。
本大会のメインテーマは「老視の科学 Science of Presbyopia」です。医療の進歩や健康意識の高まりによって我が国の平均寿命は伸び続け、心身ともに健康で自立した生活ができる健康寿命のさらなる延伸は超高齢社会を迎えた我が国において重要な課題の一つです。水晶体研究会シンポジウムでは健康寿命と密接に関連する老視予防へ向けて、臨床および基礎の分野でご活躍される先生方から老視研究の現状や老視予防へ向けた薬学的なアプローチなど、それぞれの視点に立った情報提供を頂く予定となっております。また、急な開催形式の変更にも関わらず多数の一般演題を賜り、学会ホームページで参加登録者の皆様に対して抄録あるいは発表スライドを公開いたします。開催期間中はシンポジウムならびに一般演題へのご質問などを受け付けております。多くの先生方のご参加をお待ちしております。
最後になりますが、現地開催に向け準備を頂き、最終的にはWEB開催への対応含め大会の開催・運営にご支援、ご尽力頂いた全ての関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
会長:宮田 佳樹
(帝京大学 薬学部 薬物治療学研究室)