ごあいさつ

日本国際保健医療学会 第37回東日本地方会 大会長

狩野 繁之( NCGM研究所熱帯医学・マラリア研究部長)

第37回の日本国際保健医療学会東日本地方会は、2023年7月1日(土)に国立国際医療研究センター(東京都新宿区)で開催させていただきます。東日本地方会は4年ぶりのin personでの現地開催です。オンライン開催では、参加者同士の心の通い合いが十分に謀れないことが明らかになりました。今回の東日本地方会は、ウィズコロナであっても平常を取り戻そうとの決意での現地開催です(なお、学生部会jagh-sなど、リモート参加の希望も強いため、ほとんどのプログラムはZoomによる視聴を可能にしました。全国各地からのリモートでの参加も歓迎いたします)

テーマは、「どうする!誰一人取り残さない社会実現のために」です。コロナ禍を経て、取り残された人々のことを改めて考えさせられました。そして、これからも多くの人びとが取り残されるであろうことを危惧しています。特に、世界のマラリア対策を目の当たりにしてきた小職にとって、No one left behindというフレーズは、この3年間ずっしりと重みを持った言説でした。

基調講演は、武見敬三参議院議員による「SDGsサミットに向けた日本の役割―今こそUHCの達成を!」です。広島のG7サミット(5月19〜21日)を終え、SDGs国連サミット(9月19〜20日)を控えたタイミングで、UHCの達成を加速化させるための我が国のミッションについて、また本学会員としても果たすべき役割を提案いただけると考えています。

特別講演は、竹内修一神父・神学博士(上智大学神学部神学科教授)による「見失った羊を見つけに」というテーマでお話いただきます。キリストは、99匹の羊を置いても、1匹の羊を見つけに行く必要性を諭されました(ルカ 15:3-7)。放っておいたらば死に向かう1つの命を何が何でも救う意味を、神学的に解説してもらおうと思っています。講演を通して、“No one left behind”に新たな価値を、私たちは見いだせるかもしれません。

そして、本地方会のメインイベントは、“闘魂ディベート「国際保健 vs 熱帯医学」道場破り対抗戦3番勝負”です。日本国際保健医療学会は、日本熱帯医学会と合同大会を3年ごとに開催しており、今年も4学会合同大会を11月に東京大学(本郷)で開催しますが、その前哨戦?となりますでしょうか?日本熱帯医学会から本学会東日本地方会に道場破りのディベートを仕掛ける段取りです。どうぞお楽しみに!