開催趣旨

本シンポジウムは、国立大学附置研究所・センター会議第1部会に所属する研究所・研究センターの研究成果やその意義を、一般の聴衆へ広報する目的で毎年開催しています。本年度は、東京工業大学科学技術創成研究院ゼロカーボンエネルギー研究所の企画で、完全オンラインのライブ配信形式で開催致します。

地球環境での気候変動問題解決のために、我が国を含む多くの国と地域が、2050年までに二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの人為的な排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル(CN)」を目標に掲げています。CN社会の実現には、産業および社会の構造の変化である「グリーン・トランスフォーメーション」が不可欠です。そのためには、エネルギーの産生、変換、貯蔵および物質循環などに関わる幅広い学問分野の知を結集する必要があります。

今回のシンポジウムでは、CN社会実現への貢献を目的に2021年6月に設置されたゼロカーボンエネルギー研究所のビジョンや取り組みを紹介するとともに、関連する世界最先端の研究を展開する学内外3名の研究者による講演を企画致しました。多数の皆様のご来聴をお待ちしております。


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プログラム

司会:田中 陽子(東京工業大学科学技術創成研究院業務推進課長)
13:10-13:15
シンポジウムご案内
13:15-13:20
  1. 益 一哉(東京工業大学 学長)
開会挨拶
13:25-13:55
  1. 加藤 之貴(東京工業大学科学技術創成研究院ゼロカーボンエネルギー研究所 所長・教授)
  2. 加藤 之貴
    カーボンニュートラル社会構築には社会のグリーン・トランスフォーメーション(GX、緑転)が必要と考え、本学ではゼロカーボンエネルギー研究所を本部としてグリーン・トランスフォーメーション・イニシアティブ(Tokyo Tech GXI)事業を開始しました。本発表ではTokyo Tech GXIが目指すGXビジョンを示し、それを実現するためのGX技術、GX活動についてご紹介いたします。
13:55-14:35
  1. 原 享和(東京工業大学科学技術創成研究院フロンティア材料研究所 所長・教授)
  2. 原 享和
    150℃以下でH2とN2からNH3を製造できる触媒は、Haber-Boschプロセスのエネルギー消費を70%以上削減できる。このため、自然エネルギー等のCO2フリーエネルギー発電によってH2製造とNH3製造の双方を稼働する「CO2フリーNH3製造」では、150℃以下で作動する触媒が消費エネルギーとコストの大幅な削減に重要な役割を果たす。しかし、このような触媒の創出は大きなブレイクスルーとなっていた。このような背景の中、アルカリ土類金属水素化物CaFHにRuナノ粒子を固定化した材料が100℃以下のHaber-BoschプロセスでNH3を合成できる触媒として働くことを見出した。
14:35-14:50
休憩
14:50-15:30
  1. 村上 陽一(東京工業大学科学技術創成研究院ゼロカーボンエネルギー研究所 教授)

  2. 村上 陽一
    本講演では,光触媒や太陽電池等で現状未利用な長波長光を利用可能な短波長光に変換する「フォトン・アップコンバージョン(UC)」、および、強制対流冷却における除去排熱を電力に変換する「フロー熱電発電」についてコンセプトと成果の紹介を行う。UCは蛍光の逆過程であり、高効率かつ太陽光強度以下の超低閾値なUC固体(空気中で安定動作)を初めて創出した。後者は「冷やしながら発電する」技術の創出とコンセプト実証である。
15:30-16:10
  1. 所 千晴(早稲田大学大学院創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻 教授)

  2. 所 千晴
    人類のWell-being向上を目指しながら資源消費ならびに環境負荷を低減する「デカップリング」が求められているが、カーボンニュートラルなどの環境負荷低減のためには、今以上に資源消費が増大することが多方面で懸念されている.本講演では、リチウムイオン電池や太陽光パネルなど、カーボンニュートラルに大きく関係するデバイスの資源循環ループ創成を目的とした省エネルギー型の分離技術開発例を紹介する。
16:10-16:15
  1. 須田 利美(国立大学附置研究所・センター会議 副会長・第1部会長、東北大学電子光理学研究センター センター長・教授)

閉会挨拶

参加登録

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お問い合わせ

問合せ先

東京工業大学科学技術創成研究院ゼロカーボンエネルギー研究所
附置研・センター会議第1部会シンポジウム担当

  • 企画担当

    松本 義久
    東京工業大学科学技術創成研究院ゼロカーボンエネルギー研究所 教授